2010年12月16日木曜日

ちるちんびと34号別冊で・・・

いつもお世話になっている左官の方が掲載されています。本の内容は土壁の科学的分析と検証、各地域での施工現場の取材や紹介でした。なぜ防火に優れているか、呼吸するのか解りやすく解説されています。そしてその内容の中で一番驚いたのが耐震強度に優れているという記事でした。ただし耐震については昔ながらの工法、竹を編み土で固めるといったものですが…
耐震の事柄は建築工法そのものから考えなくてはいけないので手軽とは言えませんが呼吸(調湿、匂いの軽減)や難燃といった部分ではリフォーム的要素で近づける内容です。また現在のプラスターボードを使用した壁でも呼吸に関しては古来の壁の性能に近づけることが可能です。日本の伝統家屋に興味がある方は一度この本を読まれる事をお勧めします。ちなみに『四国化成』商品も紹介されています。

2010年12月15日水曜日

外装材と舗装材のクレーム検証







先日、ハウスメーカーさん、工務店さんから相談と原因、対策について意見を求められた事象をアップさせて頂きます。1つ目の外装材についてですが材料は四国化成商品ではありません。要はクラックに対して他メーカー商材の場合はどのような考え方なのか意見を求められたものです。壁面の縦に等間隔に入るクラックは建物の揺れにより下地サイディングが上下にずれる方向に動いた場合発生する場合が多いです。俗に『大壁工法』という目地を作らない工法での割れクレームですね。弾性系の外装材は曲げ折れには結構強いんですがズレ方向には意外と弱いんです。直す方法は安価な方法であっても塗り直し、サイディングの目地部分はコーキング仕様でそこに壁は塗らないようにするしかありません。昨年より四国化成の提案する大壁工法はこの工法よりもかなりの耐クラック性能はありますがやはり100%とは言えません。建物の基礎強度が以外と大きなファクターを占めているんですよね。あと写真の角部分のクラックは内装材でもペンキでも時折起こるものです。これは厚塗りが原因で塗材面の表面が先に乾き中が乾いていない場合に起こるものです。塗材は乾燥していくにつれ縮んでいくのですがその乾燥収縮の速度差が歪(クラック)となって表面に現れるのですね。
2つ目が四国化成製『リンクストーン』の発砲です。全体写真の道路に近いところの白い部分です。拡大写真の比較ですが白く見える部分は泡が見えますね。樹脂舗装材の多くはウレタン樹脂を使っています。ウレタン樹脂は空気中の水分と反応して時間をかけながら硬化していく性質を持っています。この反応開始時に空気に含まれる量以上の水気がくると急激に反応して熱が発生します。この熱により含有空気が膨張して泡となりその状態で硬化して遠目に白く見えてしまうのです。ここの場合は水下の部分の下地乾燥が遅く下地に水気が残っていたと考えられます。この場合、軽度だと重ね塗り、仕上げ土間レベル寸法の問題や酷い症状の場合は剝して塗り直しです。この樹脂舗装は四国化成の場合、仕上がり後の舗装強度を増すため容器に不活性ガスを封入してフレッシュな状態を保つような考えで造られています。他メーカーのものは製品容器に不活性ガスが入っていなく厳密にいえば製造直後から硬化が始まっている状態です。これだと樹脂の反応も鈍いので水気が多少あっても発砲しませんし作業もしやすいと思われます。しかし最終的に全体強度が低く数年後表層剥離を起こしやすいものになりやすくなってしまいます。
雨、太陽、その他の物質etcで常に過酷な状況にある外廻りの商品にはいろいろなトラブルが起きる場合が多いです。けれど殆どが事前のチェックで回避できるものが多いです。色々調べてみてそれから着手しても遅くはないと思います。